食物アレルギー

ピーナッツは ”ナッツ” ではない!?

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にゃっほー

にゃほー。
今日は  ”ピーナッツ” と ”ナッツ” についてのお話だよ!

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Dr.小柳

みなさん、節分が近づいてきていますが、豆まきをする予定はありますか?
新潟県内では豆まきに落花生(ピーナッツ)が使用されることが多いので、節分の前に『ピーナッツアレルギー』のお話をしようと思います。

ピーナッツアレルギー

『ピーナッツアレルギー』は食物アレルギー原因の第5位!

まずはこのグラフをご覧ください。

平成30年度調査事業報告書より

2019年に公表されたデータですが、「食物アレルギーの原因食品」の割合です。

「鶏卵・乳・小麦」 は3大アレルゲンと呼ばれており、食物アレルギーの6割を占めています。では、第4位以下は何の食品なのかというと・・・第4位=木の実(ナッツ)、第5位=落花生(ピーナッツ)となっています。

10年前くらいまではピーナッツが第4位でしたが、この数年間でナッツアレルギー患者が激増しました。
ただ、上記のグラフではナッツ類すべてを「木の実類」として一括りにしてしまっており、正確に個々のナッツに分けて統計をとると、第4位=落花生(ピーナッツ)、第5位=クルミ となります。

ピーナッツアレルギーは食物アレルギーの中でもかなり多いんですよ!

ピーナッツは ”ナッツ” ではない!

ピーナッツアレルギーと診断されると、みなさんこぞって『ナッツ類全般除去』をスタートするのですが、これは間違いです。

ピーナッツは ”ナッツ” ではありません!

ピーナッツ=豆類(豆、土の中に生える)
ナッツ=種実類(木の実、木の上の方になる)

ピーナッツとナッツは、植物学的に大きな違いがあります。もちろん、栄養成分も違います。

ピーナッツアレルギーの主なアレルゲン(原因成分)はAra h2というタンパク質です。この成分はナッツ類には含まれません。

ピーナッツアレルギーであっても、ナッツは別の食品なので、多くの場合食べることができます。(もちろん、全く違う食べ物の鶏卵と牛乳の両方にアレルギー体質の人がいるように、ピーナッツとナッツの両方にアレルギーがある人はいます。しかし、別々の食品として判定する必要があります。)

ピーナッツとナッツは『別の食品』として考えましょう!

落花生=ピーナッツ

若い人を中心に、落花生という呼び方がピンと来ない方がいらっしゃるようです。

落花生はピーナッツの和名です。全く同じものです。殻がついていないものも和名では落花生と呼びます。

また、ピーナッツ(落花生)には地域によりさまざまな名称が存在します(下表)。全てピーナッツです!
同じものですので気をつけましょう。

ピーナッツ、ピーナツ、落花生、南京豆、地豆(ジーマーミ)、異人豆、から豆、唐人豆、とう豆、しな豆、ほうらい豆、だっきしょ、つち豆、そこ豆、ぢむじり豆、ぢのした豆、土露子、番豆、千歳子、万寿果・・・まだまだいっぱいあるらしいです

私が過去に担当したピーナッツアレルギー患者さんで、沖縄に修学旅行に行った際に、ジーマーミを食べてしまい、アナフィラキシーを起こして搬送されたというエピソードがあります。事前に宿泊先に「ピーナッツアレルギーであること」を伝えていたそうですが、地元の方が「ジーマーミ=ピーナッツ」と知らなかったそうです。

豆まき

新潟県は『落花生』を撒く

全国的に、豆まきに使用する豆は『大豆』がほとんどですが、新潟県や長野県、北海道では豆まきに『落花生』を使用することが多いそうです。

私も新潟県育ちですので、幼少期は落花生を殻ごと投げていました。

落花生を殻ごと撒くのは「後で拾って食べやすい」という利点があります。

ピーナッツアレルギーでは豆まきに『落花生』を使用してはいけない

ピーナッツアレルギーの方は、ピーナッツを食べなくても、豆まきで空気中に舞った「落花生の殻の粉」を吸い込んだだけで咳き込み、鼻汁、くしゃみ、目の充血などの症状が出ることがあります。

食べなくても症状が出ます!
ピーナッツアレルギーの方がいる場所では『落花生(ピーナッツ)』を撒いてはいけません!

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にゃっほー

ピーナッツってそもそも ”ナッツ” じゃないんだね。いろんな呼び方もあるみたい。気をつけよう!

文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)

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