
みなさんこんにちは。
いや〜暑いですね〜!毎日35℃越えの日々ですが、体調いかがですか?
エアコンアレルギー
はじめに
皆さんの中に、エアコンの風を浴びると「鼻がムズムズする」「くしゃみが止まらない」などの症状がある人はいませんか?
もしかしたら 『エアコンアレルギー』 かもしれませんよ!
エアコンアレルギーとは
夏になると「エアコンをつけると咳が出る」「くしゃみが止まらない」「鼻がムズムズする」といった訴えをする患者さんが少なくありません。こうした症状は 『エアコンアレルギー』 とも呼ばれ、アレルギー専門外来でも頻繁に相談されるテーマです。ただし、『エアコンアレルギー』という名称は医学的な正式診断名ではありません。エアコンを使用した際に誘発されるアレルギー様の症状の総称として一般に使われています。
今回は、この『エアコンアレルギー』の正体と、その対策について解説します。
原因1
エアコン内部のカビ・ダニエアコン使用時にアレルギー症状が出る最大の理由は、エアコン内部に潜むカビやダニの死骸・フンおよびハウスダストです。長期間掃除されていないエアコン内部では、フィルターや熱交換器にほこりや湿気が溜まり、カビやダニが繁殖しやすくなります。これらがエアコンの風と一緒に室内に放出され、吸入された際にアレルギー反応を引き起こすのです。特に以下のようなアレルゲンが多く見られます
真菌(カビ):クラドスポリウム、アスペルギルス、ペニシリウムなど
ダニ:チリダニ、コナヒョウヒダニなどの死骸や排泄物
これらは喘息やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎の悪化要因となります。
原因2
急激な温度・湿度変化による気道刺激もう一つの要因は、温度や湿度の急激な変化によって呼吸器や皮膚が刺激を受けることです。冷たい乾燥した空気を長時間吸い込むことで、気道の粘膜が乾燥し、敏感な人では咳や鼻水、のどの痛みが出ることがあります。また、気管支喘息の患者さんでは、冷気が気道の過敏性を高め、発作の誘因になることもあります。これはアレルギーとは直接関係ない「気道刺激症状」ですが、症状としては類似しており、混同されやすい点に注意が必要です。
対策
対策1
エアコンの定期的な清掃エアコンアレルギー対策の基本は、内部の清潔を保つことです。以下の点を実践すると良いでしょう
- フィルター掃除を2週間に1回行う
- 年1〜2回の業者による分解洗浄を依頼する
- 使用前に数時間「送風モード」で運転し、内部を乾燥させる室内の湿度を50〜60%に保ち、カビの発生を防ぐ
また、空気清浄機と併用することで、室内の浮遊アレルゲンをより効果的に除去することが可能です。
対策2
冷気の気道への刺激を防ぐためには、以下のような工夫も有効です
- 冷風が直接当たらないように風向きを調整する寝室ではサーキュレーターを併用して空気を循環させる就寝時の室温は26〜28℃、湿度は50%前後を目安にする
- 喉や鼻の乾燥が気になるときは、加湿器やマスクの使用も有効
まとめ
「エアコンアレルギー」とは、必ずしもIgE抗体による典型的なアレルギー反応だけでなく、環境因子による複合的な症状です。実際の原因を特定するには、問診やアレルゲン検査が有用です。アレルギー症状がエアコン使用時に限って起きるようであれば、まずは掃除と使用環境の見直しを行い、それでも改善しない場合は医師に相談し、アレルゲン特定検査を受けることをおすすめします。
最後にエアコンは夏場の熱中症対策として不可欠な存在ですが、その使い方次第で健康を損なうリスクもあります。「エアコンが原因かも?」と思ったら、身の回りの環境を見直す良い機会です。正しい知識と対策で、快適な夏を乗り切りましょう!

暑すぎるよ〜。。。
文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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