アレルギー性鼻炎

舌下免疫療法、オススメです!

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Dr.小柳

みなさん、こんにちは。
晴れの日が増えて春めいてきましたが、花粉症シーズン真っ只中です!
今日は舌下免疫療法の効果について解説です。

スギ花粉舌下免疫療法(SLIT)

舌下免疫療法とは?

スギ花粉症は日本で最も多いアレルギー疾患の一つで、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどの症状により日常生活の質(QOL)を大きく低下させます。一般的な治療としては抗ヒスタミン薬や点鼻ステロイドなどの薬物療法が用いられますが、これらは症状を抑える「対症療法」です。これに対し、舌下免疫療法(Sublingual Immunotherapy:SLIT)は、アレルギーの原因となるスギ花粉のエキスを少量ずつ体に取り入れることで、アレルギー反応を起こしにくい体質へ変えていくことを目的とした「根本治療」です。

舌下免疫療法は、スギ花粉成分を含む薬剤を毎日舌の下に投与する治療法です。日本では2014年に成人のスギ花粉症に対して保険適用となり、2018年からは小児にも適用が拡大しました。現在は主に「シダキュア®」という錠剤を舌下に置き、1~2分程度保持した後に飲み込む方法で治療を行います。初回投与は医療機関で行い、その後は自宅で毎日服用を続けます。

この治療の特徴は、長期的な治療によりアレルギー反応そのものを弱める点にあります。スギ花粉症では、本来無害な花粉に対して免疫が過剰に反応することで症状が生じます。舌下免疫療法では少量のアレルゲンを継続的に体に提示することで、免疫システムが花粉に対して過剰に反応しないように調整されます。その結果、アレルギーを抑える「制御性T細胞」の増加や、IgE抗体の反応の変化などが起こり、症状が軽減すると考えられています。

効果

治療効果については、国内外の臨床研究で多くのデータが報告されています。一般的には、約70~80%の患者で症状の改善が認められるとされています。花粉飛散期の症状スコアや薬物使用量を合わせた「症状薬物スコア」は、通常の薬物療法と比較して約30~40%程度改善するという報告が多くみられます。また、治療を継続した患者の中には、花粉の時期でもほとんど薬を必要としなくなる例もあります。研究によっては、約3割程度の患者が「薬なしでも症状が軽度」となると報告されています。

舌下免疫療法は即効性のある治療ではなく、効果が十分に現れるまでには時間がかかります。一般的には半年〜1年程度で一定の改善が見られ、2年目以降で効果がよりはっきりしてきます。十分な効果を得るためには、3年以上の継続治療が推奨されています。また、治療を終了した後も数年間効果が持続する可能性があることが知られています。

一方で、すべての患者に同じ効果が得られるわけではありません。約20~30%の患者では十分な効果が得られないこともあります。多くのアレルゲンに感作されている場合や、重症の花粉症では効果がやや弱いこともあるとされています。また、治療を途中で中断すると十分な効果が得られないため、毎日の服用を継続することが重要です。

安全性

安全性については比較的高いとされています。最も多い副作用は口の中のかゆみや違和感、軽い腫れなどで、治療開始初期にみられることがありますが、多くは時間とともに軽減します。ごくまれに全身のアレルギー反応が起こる可能性もあるため、初回投与は医療機関で行い、体調の悪い時には服用を控えるなどの注意が必要です。

まとめ
舌下免疫療法は、花粉症の症状を抑えるだけでなく、長期的に体質を改善する可能性がある治療法です。すべての患者に完全な効果が得られるわけではありませんが、薬物療法だけでは症状が十分にコントロールできない患者や、毎年の花粉症に悩んでいる患者にとって、有力な選択肢の一つとなります。花粉症の治療は患者ごとに最適な方法が異なるため、症状の程度や生活スタイルを考慮しながら、医師と相談して治療方針を決めることが重要です。

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Dr.小柳

花粉症シーズンに入りましたが、舌下免疫療法を続けている方の多くは症状が軽度のようです。舌下免疫療法の効果を実感しています。とてもオススメですよ!
舌下免疫療法は花粉飛散時期にはスタートできませんが、事前にアレルギー検査(採血)などで治療適応があるかどうかご相談いただけます。ぜひご相談ください。

文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)

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