お酢もアレルギーに良い効果があるんだって!
酢
お酢と腸内細菌の関係
昨日のブログ記事で ”腸内細菌とアレルギーの関係” について取り上げましたが、『お酢』についての解説をすっかり忘れていました。
実は、『お酢』にもアレルギー疾患の改善に関連する大事な食品です。
酢酸は酪酸と同じ短鎖脂肪酸のひとつ
脂肪酸とは油脂(あぶら)の構成成分です。大きさによって「長鎖脂肪酸」、「中鎖脂肪酸」、「短鎖脂肪酸」に分かれています。このうち、アレルギーの治癒/予防に強く関わっているのが短鎖脂肪酸です。
短鎖脂肪酸は主に、腸内で消化(分解)しきれなかった炭水化物・食物繊維を腸内細菌が発酵させて産生されます。代表的な短鎖脂肪酸は酢酸、プロピオン酸、酪酸などがあります。
このうち、酪酸はアレルギーの治癒/予防に強く関わっていることは昨日の記事で書いた通りです。
酢酸も酪酸と同様、腸内の免疫系細胞に働きかけて、アレルギーを改善させるのに役立っているのではないかと推測されています。
お酢を飲めばアレルギー改善?
食酢に含まれている酢酸は腸から速やかに吸収され血液中に移行します。そして、短鎖脂肪酸(酢酸)として免疫系細胞に働きかけ、アレルギーの改善や肥満抑制、食欲抑制、糖尿病予防などの様々な作用を発揮します。
しかし、その酢酸は体内ですぐに代謝/分解されてしまい、その効果は一時的です。食酢に含まれている酢酸は3〜5%とわずかであり、酢酸のよい作用を発揮するためには相当な量の酢を飲まなければなりません。
お酢を直接飲むよりも、食物繊維を食べて腸内細菌に酢酸/酪酸を合成してもらった方が効率的
適量のお酢を直接摂取するのはもちろん体に良いのですが、お酢の摂取のみで上記のような効果を十分に発揮するのは難しいと思います。
それよりも、食物繊維をしっかりと摂取して、腸内細菌に酢酸や酪酸を合成してもらう方が効率的・持続的な効果が望めます。
酢納豆・・・うぅぅ(> A <) 興味があったら食べてみて!
文責; 小柳貴人(アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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