にゃほー。
今日は卵アレルギーの人向けの記事だよ!
値段が安い加工食品ほど使用されている卵白量が多い傾向がある
食物アレルギーで最も多い『鶏卵アレルギー』
今日は、食物アレルギーの中でも最も患者数の多い『鶏卵アレルギー』関連の話題です。
『鶏卵アレルギー』は原因食品別患者数の中でもダントツで、食物アレルギー全体のおよそ4割を占めています!!
私のアレルギー専門外来に通ってくださっている鶏卵アレルギーの患者さんたちは、鶏卵アレルギーが治癒傾向になってくると「鶏卵つなぎ食品」を自宅で食べてもらっています。食品としては、『ハム』『ウインナー』『かまぼこ』『ちくわ』などです。
鶏卵加工品(鶏卵つなぎ食品)を食べはじめたばかりの方、今日の内容は重要ですよ!
食品業界では卵白が多量に余っているらしい
食品業界では卵白が大量に余っており、格安の ”捨て値” で業者間で取引されているようです。
例えば、一番有名な ”とんがり頭キャラクター” のマヨネーズ。卵黄のみ使用されています。同社のマヨネーズを作るために、日本全体のおよそ1割の卵が使用されているそうです!卵黄のみを使用するので、当然卵白が大量に余ります。
また、洋菓子屋さんのショートケーキなども卵黄を大量に使用するわりに卵白はあまり使用されません。基本的に卵白は余りやすいそうです。メレンゲのお菓子などに使われることもありますが、それほど多く必要ではないようです。
余った卵白は『ハム』『かまぼこ』などの加工品の ”カサ増し” に利用されることがある
この大量に余った卵白はどこへいくのか? ゴミ箱に捨てるのはもったいないし、処分にも費用がかかります。
実は、余った卵白は業者間で格安で取引をされて、様々な加工品の ”カサ増し” に利用されることがあるそうです。
主な食品として、『ハム』『ウィンナー』『かまぼこ』『ちくわ』『ハンバーグ』『つくね』などがあります。さらに驚いたことに、工場で作られる『厚焼き卵』なども追加卵白でカサ増しされることがあるそうです。当然卵白が多量だと白っぽい卵焼きになるんですが、「カロチン」などの着色料で自然な卵焼きに近い黄色に調整されるようです。
鶏卵アレルギーで鶏卵つなぎ食品を食べ始めたばかりの人は注意してください
- 安い加工食品・・・卵アレルゲン=多い
- 高級な加工食品・・・卵アレルゲン=少ない
一般的には上記のような傾向があります。もちろん例外もあります。
「ハムが1枚食べられたから」といって「他のメーカーのハムが1枚食べられる」とは限りません。メーカーや製品が違えば含有卵アレルゲン量も当然違います。大事なのは、”初めて食べる食品は微量から開始して徐々に増やしていく” ことです。
卵白再利用はフードロス対策として素晴らしい取り組み
“カサ増し” と呼ぶと、なんだか「不正」「ズルい」イメージがありますが、昨今は地球環境の保護のため、SDGsが叫ばれており、フードロス削減の観点から考えると、”余剰卵白再利用” はとても素晴らしい取り組みと言えます。個人的には大賛成です。
各メーカーは「安く美味しいものを提供しよう」と頑張っています。応援しています。
『カサ増し』と呼ぶとイメージが悪いけど、『余剰食品再利用』と考えると素晴らしい取り組みだね!鶏卵アレルギーで食べる練習を始めたばかりの人は注意してね!
文責; 小柳貴人(アレルギー専門医 ・小児科専門医)
コメント