にゃほー。
新型コロナ第6波、大変な患者数になってきたね。
今日は『新型コロナを普通の風邪として扱ってはいけない理由』を考えてみます。
オミクロン株の特徴
感染力がめちゃくちゃ強い
ニュースや情報番組などでご存じの方が多いと思いますが、現在流行している新型コロナウイルスのオミクロン株はめちゃくちゃ感染力が強いです。
少し前に流行したデルタ株は押しやられ、ほぼ全てがオミクロン株に置き換わってきたようです。
インフルエンザの流行も皆無であり、他に流行している感染症はありません。他の感染症が流行する隙が無いほどオミクロン株の感染力が強いのだと思います。
「お互いがマスクをしている状態での会話」でも感染する危険性があります。満員電車などでも感染が広がっているのでは無いかと疑われています。
若年者の感染がメイン
オミクロン株の大流行の特徴として、若年者が感染しやすいようです。以前流行した新型コロナ株は「小児に感染しづらい」という特徴がありましたが、オミクロン株には全く当てはまりません。園や学校で大流行しています。
軽症、無症状が大多数
猛威を奮っているオミクロン株ですが、今のところは幸い、軽症・無症状感染者が多いようです。9割程度の方が『軽度の風邪』で終わっているようです。
ただし、現時点では。
今後高齢者層に感染が広がってくるとそれなりに重症者や死者が増えてくるかもしれません。
保健所による濃厚接触者追跡が終了
患者数の激増により保健所による追跡が不可能に
第6波の患者数の増え方は尋常では無く、ついに保健所による観察・追跡が不可能になったようです。新潟県でも「濃厚接触者には感染した人(検査陽性者)から連絡してください」という通達が出ています。
今までは濃厚接触者の特定、連絡、検査などは保健所が担当し、新型コロナ感染がそれ以上広がらないように全力で対応していました。しかし、今回の第6波では保健所による追跡が全く追い付かず、ついに ”不可能” という状況に達したようです。
日本も欧米並みの患者数を覚悟しなければいけない
私見ですが、今まで日本で新型コロナ感染者数がある程度低く抑えられていたのは「保健所が濃厚接触者をしっかりと追跡していたから」だと思っています。
濃厚接触者の追跡が不可能になってしまったため、「無症状・軽症の新型コロナ患者」が野放しになる危険性があります。
”ピークを越えたら急減していった” 第5波までと違い、第6波は ”患者数のピークに到達後もダラダラと感染流行が続く” のではないかと予想します。
『5類感染症への引き下げ』は時期尚早
「オミクロン株は軽症患者がほとんどなんだから、インフルエンザと同じ5類感染症として扱うべき」という声が大きくなってきています。確かに、現時点ではオミクロン株は軽症患者がほとんどであり、「もう普通の風邪として扱っちゃえよ」という声には頷けます。
しかし、
- 発熱外来や救急外来などは既にパンク状態である
- 5類感染症へ引き下げる=濃厚接触者追跡は全く行わない、軽症患者は検査しない→現在と比較にならない大流行になってしまう懸念がある
- 一度引き下げてしまうと、今後また新たに強毒性の株が出現した場合にすぐに対応ができない
などの理由から、現時点で引き下げるのは非常に危険です。
オミクロン株は「軽症患者が大多数」なのは良かったのですが、着陸方法を間違えると大惨事になってしまいそうです。内服薬なども出てきましたが、インフルエンザ薬のタミフル®︎みたいに気軽に処方されるような状態になるのはまだまだ時間がかかりそうです。小児が服用できる薬もまだ出てきていません。
新型コロナの対応、本当に難しいですね。
文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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