今日はみなさんにとって重要なお話です。
病院勤務時代からずっと思っていたことを記事にしたいと思います。
明らかな重症なのに『自家用車来院』
みなさんは救急車を呼んだ事がありますか?
おそらく呼んだ事がある人も「このくらいの症状で救急車呼んでもいいのかな?」とか、「病院について救急車を利用したことを怒られないかな?」など、不安な気持ちで利用した人が多いのではないでしょうか?
「救急車を呼ぶのに抵抗がある」という気持ちから、“痙攣”や“意識障害”または“アナフィラキシー”など、一刻を争うような状態なのに自家用車で来院される方をたまに見かけます。
また、「病院から近かったので自家用車のほうが早く着くと思った」という理由で重症者を自家用車で連れてこられる方もいます。
一つだけ言わせてください。
『重症者は絶対に救急車で病院の救急外来へ搬送してもらってください!!』
救急時に『自家用車来院』がダメな理由
上記のような緊急受診時に『自家用車来院』がダメな理由、わかりますか?
いくつかあるのですが、以下にまとめます。
- 救急車は思っているよりも早く到着してくれる
- 救急車が到着次第、気道確保や酸素投与、補液などの医療処置が開始されるが、自家用車内での医療処置は困難
- 自家用車来院は必ず “病院受付で足止め” されてしまう
どれも重要なのですが,みなさんに特に注意してほしいのが “病院受付で足止め” されてしまうことです。
自家用車来院は病院での『受付』が必須
救急車で病院に搬送された場合、本人の意識がなくて身元不明な場合でも、すぐに救命処置が開始されます。意識がない患者さんでは年齢不詳のこともざらにあります。身分や保険証の確認などは事後に行われます。
これに対し、自家用車で重症者を運んだ場合、まずは病院受付で足止めをくらいます。病院の救急外来は常に混雑しているので、順番を待つように言われるかもしれません。
病院で受付を担当するのは主に医療事務ですので、医師や看護師のような専門の医療知識を持っていない場合が多く、重症なのか軽症なのか判断は難しいです。
緊急時は絶対に救急車!!
エピペン指導時に毎回訴えているのですが、上記のような理由から、緊急時は自家用車ではなく、救急車を呼びましょう!!
文責:小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医・小児科専門医)
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