みなさんこんにちは。今日は『水いぼ』に関するニュースをどうぞ!
水いぼ(伝染性軟属腫)
現状は良い薬がない
水いぼで悩んでいるお子さんは大変多いのですが、残念ながら現状は水いぼに対する特効薬がありません。
- 特殊なピンセットによる摘除術(つまみ取る)
- 硝酸銀などの銀イオンを塗布することでいぼを腐食させる
- 液体窒素凍結療法(いぼを凍結させて脱落を促す)
- ヨクイニンやハトムギ茶などの漢方的な治療
- 治るまでじっと待つ
これ以外にもいくつかの選択肢はあるのですが、いずれも一長一短があり、決定的な治療法が無い状態です。
一番望まれるのが『保険適応の塗り薬』
摘除術や液体窒素凍結などは水いぼが数個であれば良いのですが、数十個以上に増えてしまうと困難です。漢方薬は劇的な効果は期待できず、効いたとしてもゆっくりしか効果が出ないようです。
硝酸銀などの銀イオン塗布はそこそこ効果があるのですが、保険適応のある『塗り薬』が存在しないため、クリニックや病院内で調合したり、保険適応外の塗り薬を使用しなければいけません。当院ではこの「銀イオン」含有クリームを販売しているのですが、保険適応外の塗り薬になります。
水いぼ治療で最も期待されているのが『保険適応の塗り薬』なのです。
アメリカで水いぼの塗り薬が承認された
つい先日、良いニュースが飛び込んできました。
アメリカで水いぼの塗り薬が食品医薬品局(FDA)に承認されたそうです!
今回承認されたのが『Ycanth(一般名カンタリジン)』を0.7%含有する塗り薬で、臨床試験ではなかなか良い成績を示したようです。カンタリジンは甲虫類が分泌する体液に含まれる毒の一種であり、皮膚を腐食させて水いぼを消退させるようです。
カンタリジンは高濃度だと皮膚の痛み・ヒリヒリ感を感じ、水泡形成をきたすこともあるようです。0.7%製剤がどの程度皮膚の刺激感があるのかはわかりませんが、ある程度ヒリヒリする塗り薬かもしれません。
日本でも販売される可能性があるが・・・
日本でもこの薬が承認され、保険適応薬として販売される可能性がありそうですが、国内の薬事審査などを経る必要があり、早くても1〜2年かかると思われます。
みなさん気長に待ちましょう。。。
文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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