にゃほー。
みんなは薬局で売っている『風邪薬』を飲んだことがあるかな?
今日は 『風邪薬のヒミツ』についてのお話だよ!
『市販の風邪薬』と『処方の風邪薬』
多くの方が『市販の風邪薬』『処方された風邪薬』どちらも飲んだことがあると思います。
どっちが効きましたか?
「やっぱり処方された薬は効く」「どっちも変わらない」など、様々な答えが返ってくると思います。今日は『風邪薬』の秘密に迫っていきたいと思います。
市販の風邪薬
薬局やドラッグストアで処方箋なしに購入できる医薬品をOTC(Over The Counter、カウンター越しの)薬と呼びます。一般的には「市販薬」と呼ばれています。
近年、市販薬の風邪薬の種類は増える一方で、薬局の棚の1/3~1/4くらいを占めているイメージです。
一般人の『市販の風邪薬』に対するイメージ
- あまり効き目が良くない
- 処方薬より有効成分の濃度が少ない
- 処方薬より有効成分の数が少ない
どうも一般の方は『市販薬』に対して、こんなイメージを持っているようです。
これは大きな誤解です。
市販の風邪薬は ”全部入り”
『処方薬』も『市販薬』も有効成分、濃度はほぼ一緒
実は病院やクリニックで『処方される風邪薬』も、薬局で『市販されている風邪薬』も、有効成分や濃度はほぼ一緒です。
効き目はほとんど変わりません。
処方薬は症状に対応する薬のみが処方される
処方薬は診察を受けて、「症状に合わせた薬」がピンポイントに処方されます。
例えば、咳の風邪に対しては「咳止め」「痰切り」の薬が処方されます。
発熱はないため、「解熱剤」は処方されません。鼻水もないため、「鼻水止め」は処方されません。
処方薬は症状に合った薬 ”のみ” 処方される
市販薬は ”全部入り”
これに対し、市販薬の多くは全部入りです。
「咳止め」「痰切り」「鼻水どめ」「喉の腫れを抑える」「解熱」全ての成分が入っていることが多いです。
どんな症状にも対応する『総合感冒薬』です。よく言えばオールマイティーとも言えます。
”全部入り” が必ずしも良いとは言えない
市販の風邪薬は ”全部入り” ですので、「市販の風邪薬と処方の風邪薬はどちらが強い」と聞かれたら、「市販の風邪薬」と答えたくなります。「全部入りの方が良いじゃん」という声も聞こえてきそうです。
しかし、薬には必ず副作用があります。
『”全部入り” の総合感冒薬は、出てもいない症状に対する無駄な成分を含んでいる』という見方ができます。
発熱も無いのに解熱剤を服用すると、肝臓に負担がかかります。胃の粘膜も荒れやすくなります。
症状が無いのに薬を飲むのは「百害あって一利なし」です。無駄な成分なんて入っていない方が良いのです。
「『市販の風邪薬』と『処方の風邪薬』どちらが良いですか?」と聞かれたら、「無駄な成分が入っていない分、処方薬のほうがオススメです。」と答えます。
最近は市販の風邪薬にも「症状に合わせた薬」が増えてきている
最近、市販の風邪薬の種類が増えている気がしませんか?
以前と違い、市販の風邪薬にも、「症状に合わせた薬」が出てきているんです。
「咳のかぜ用」「喉のかぜ用」「鼻のかぜ用」「熱のかぜ用」など、用途に合わせて無駄な成分を排除した市販薬がどんどん出てきています。
副作用の観点から、”全部入り” よりも ”症状に合った薬” を飲んだ方が絶対に良いです!
以上、『風邪薬のヒミツ』でした。
無駄な薬は飲まないようにしましょうね!
文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)
コメント