にゃほー。”「ヒルドイド®」の患者負担金が増える” って値上げでもしたの??
アトピーで通院中の方(成人)に残念なお知らせです。
「ヒルドイド®」の患者負担金増
元ニュース
今日は朝から「ヒルドイド®の料金上がるんですか?」というお問い合わせを複数いただきました。
「ん?何のこと?」と思い、すぐに調べました。
保湿塗り薬、10月に負担増 美容目的の不適切利用、是正も 厚労省(Yahoo Japan!ニュース)
記事を読む限り、ヒルドイド® を含む一部の先発医薬品の窓口負担を10月から引き上げる方針のようです。
マルホHPより引用
ジェネリック医薬品もたくさん発売されたが・・・
ヒルドイド®は特許が切れてジェネリック医薬品が多く発売されましたが、依然としてオリジナルのヒルドイド®の人気が高いようです。
なぜヒルドイド®の人気が高いままなのかというと・・・『ジェネリック品よりも保湿効果が高い』と患者さんが感じているから。これは私自身、今までに多くの患者さんから同様のコメントを頂きました。
ジェネリック医薬品は有効成分の量は先発品と同量配合されているものの、その他の基剤などは商品によって全く異なります。そのため、保湿効果にも違いがでてきてしまうようです。
実際に先発品とジェネリック医薬品の効果を直接比べた研究結果は公表されていませんが、とくに塗り薬は ”基剤の違い” というのが効果に大きく関わってくるのは間違いありません。
美容目的でヒルドイド® を大量処方してもらっている問題
今回、ヒルドイド® の患者負担増の対象になった理由は、美容目的でヒルドイド® を大量処方してもらっている成人が存在するためです。
皮膚をしっかりと保湿すると「しっとり、もちもち、つやつや」の皮膚をキープできるため、ほとんど病気ではない人が多量にヒルドイド®を処方してもらっている成人がいらっしゃることは以前から問題となっていました。
これは「病気の治療目的」ではないため、医療保険の趣旨に反します。
高騰する医療費を削減するために今回の改定が予定されているようです。
小児では大きな影響なし、成人では300gで774円増
近年、多くの市町村で18歳までの小児に対して、「子ども医療費助成制度」が導入されています。もともと薬剤費の窓口負担は発生しないことから、今回のヒルドイド® 窓口負担増は関係ありません。
成人ではヒルドイド® 300g処方で774円の窓口負担増になるようです。
今のところ、『医師の判断で先発品を処方』した場合は対象外となる見込みです。
普段外来でアトピー患者さんに多量に処方しているため、今後の対応に気をつけたいと思います。
文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)
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