食物アレルギー

食物アレルギー集中講義②

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にゃっほー

にゃほー。
食物アレルギー集中講義第二弾だよ!

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Dr.小柳

みなさんこんにちは。
「完全母乳はアレルギーを予防する」という言葉を聞いたことがありますか?
もしかしたら逆かもしれませんよ?

完全母乳は食物アレルギーのリスク?

原著論文

Randomized trial of early infant formula introduction to prevent cow’s milk allergy, J Allergy Clin Immunol. 2021 Jan;147(1):224-232.e8. SPADE study

背景

今まで「人工ミルクを飲んでいる児のほうが乳アレルギーが少ない」「人工ミルクを飲んでいる児のほうが乳アレルギーが多い」どちらも報告されているが、後方視研究が多く、結論が出ていない

対象

沖縄県内の4病院にて出生した乳児504例

方法

研究にエントリーした乳児を生後1ヶ月にランダムに「摂取群」「除去群」どちらかに振り分け、生後3ヶ月まで続けてもらった。

  • 摂取群…ミルクの摂取は1日10mL以上で月20日以上、中断は1週間以内
  • 除去群…ミルクの摂取は月10日未満、母乳で不足する場合は大豆粉乳で代用

生後3ヶ月以降はミルク摂取/除去の指示は行わず、好きなように飲んでもらった

生後6ヶ月にミルク100mlの食物経口負荷試験を行い、乳アレルギーの有無を調べた

結果

全参加者のうち12名が途中で辞退。492名の参加者を「摂取群」243名、「除去群」249名に振り分けた。

生後6か月まで毎月受診できた児は、「摂取群」227名(93.4%)、「除去群」235名(94.3%)。

生後6か月時のミルク100ml経口負荷試験で牛乳アレルギーと診断された割合は
摂取群2例(0.8%)、除去群17例(6.8%)
摂取群では有意に牛乳アレルギーの発症が少ないという結果となった

解説

長きに渡り、「完全母乳は各種のアレルギーを予防する」という概念が浸透していました。

しかし近年、「人工ミルクを飲み続けている児は乳アレルギーが少ない」というデータが散見されるようになり、この SPADE study は介入研究でより信憑性の高いデータを目指したものです。

SPADE studyでは『生後1ヶ月から3ヶ月まで人工ミルクをしっかり摂取した児は牛乳アレルギーになりにくい』という結果となりました。

この研究結果だけで『人工ミルクを飲むべきだ!』とは言えませんが、”人工ミルクを上手に母乳と併用することで乳アレルギーを予防できる可能性” を示した画期的な研究と言えそうです。

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Dr.小柳

アレルギーの知識は日進月歩。日々、アレルギーの常識は変わっていきます。
しっかり勉強してついていかなきゃ。

文責; 小柳貴人(医学博士・アレルギー専門医 ・小児科専門医)

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